其の五  売上データと顧客データの照合で目指す方向を確認!

其の四までにご案内した内容は、全て下準備。料理で言えば仕込みが終わった段階です。
これから準備した材料を調理して美味しい食事を作る=売上を向上させるための施策を検討し実行に取り掛かるという段階に入ります。

「軸」から読み解く『仮説』が、新たな売上向上のための施策のベースになります。
それでは、順番にしっかりと深掘りしたい仮説づくりのポイントを確認していきましょう。

1)エリア特性(季節要素含む)を探りましょう!
  12ヶ月間の集客動向、予約傾向は月別に把握することにより、1年を通してどの時点で営業活動=
  集客に力を注ぐ必要があるかという傾向が理解できます。

2)部屋タイプ(価格)特性を探りましょう!
  売れ筋の部屋タイプ(料金帯)がどこか?またそれはいつの季節も同様なのかなど検証するするこ
  とから理解した傾向により効率的な販売設定を仕掛けることができます。

3)客タイプ特性を探りましょう!
  性別、年齢層、滞在人数など、どの季節にどの様なお客様が多く利用していただける傾向にあるか
  を把握し、販売プランの設定に反映させ効率的な集客に結びつけることができます。

4)市場特性を探りましょう!
  販売先(市場)として一番マッチしている場所や時期がどこかを理解する、さらにその市場では、
  どの様な価格帯の予約率が高く、どのお部屋タイプをどの様な客層が予約傾向にあるかを理解し
  各市場ごとに販売設定に反映させることで効率的集客に結びつける事ができます。

5)顧客データと照合しましょう!
  お客様が満足しているポイントは何かを確認し、それらを1〜4の特性と掛け合わせることで販売
  ポイント=プランニングの優先順位が明確にできます。また、市場ごとの評価状況が異なるため、
  価格やプランニングに違いを出しながら販売設定をすることで評価を上げる施策も選択できます。

「エリア・季節」「部屋タイプ」「客タイプ」「市場」
「お客様が満足しているポイント」を把握し、プランニングする。

施設特性が確認できますと何をどのタイミングで実行することが成果を最大限発揮するのか!ということを意識できると思います。また、闇雲にどこにでも同じ様な販売活動を実行するよりも各市場の特性を意識した販売活動=プランニングを実行できると良いですね!

目先の売上を第一優先したい場合は、過去実績のデータを優先した仮説を重視し、継続的な売上=集客を優先したプランニングをしたい場合は、顧客評価が高い順に仮説設定を行うことをお勧めします。
特に各種OTAからの集客比率が高い場合は、WEB上の顧客評価が予約率を大きく左右します。長い目で見れば、高い評価コメントをいただける可能性が高い顧客を優先して集客することが望まれます。

早期の売上優先の場合、過去実績データを優先した仮説設定を。
長期の売上優先の場合、顧客評価が高い順の仮説設定を。

また、自社の強みを理解し、その特性にさらに磨きをかけることで弱みであった改善点の印象が薄まり全体の評価を高めることもあります。一点突破型が、他社との差別化を図りある一定層の顧客を安定して獲得できるという結果にも繋がります。